不妊症とは?
不妊症とは、通常の夫婦生活を送って2年以内に妊娠できないときに不妊症となります。
健常な人の妊娠率は、1年内で約80%、2年で約90%の人が妊娠します。不妊で悩んでいる人は約10%、10組に1組のカップルが不妊症で悩んでいることになります。
最近では、1年以内に妊娠できないときは不妊症とみて治療を開始するクリニックや産婦人科などの施設も増えてきました。
不妊症の原因
不妊症と言われる原因として、女性側の原因と男性側の原因に分けることができます。
■女性側に不妊の原因
女性側の不妊の原因は、複雑に絡み合っています。
・排卵因子(排卵障害)
・卵管因子(閉塞、狭窄、癒着)
・子宮因子(子宮筋腫、子宮内膜ポリープ、先天異常)
・頸管因子(子宮頸管炎など)
・免疫因子(抗精子抗体など)
上記のうち排卵因子と卵管因子が原因となっていることが多く、男性不妊をくわえた3つが不妊の3大原因と言われています。
●排卵因子(排卵障害)
排卵する過程で何か問題が起こっている状態です。
生理が月2回来たり3ヶ月以上来なかったりすると、排卵が行われていない可能性があります。
また、極端なダイエットや極度な痩せなども排卵ができていない不妊症の可能性があります。
排卵障害が起こる原因として、高プロラクチン血症や多嚢胞性卵巣症候群があります。まれに若い世代で卵巣機能が著しく低下する早発卵巣不全が原因で排卵が行われないケースもあります。
●子宮因子
子宮に何らかの障害が起こっている状態です。子宮内で子宮筋腫や子宮内膜ポリープができて、受精卵の着床を妨げる着床障害、子宮の形態に異常があると不妊の原因になることがあります。
●頸管因子(子宮頸管炎など)
子宮頸管炎や子宮頸管からの分泌異常などで精子が奥に入り込めない状態です。頸管粘液が減少すると不妊の原因になることがあります。
●免疫因子(抗精子抗体など)
免疫が異常を起こして、抗精子抗体や精子不動化抗体といったものを頸管粘液に分泌して精子の運動を妨げたり動きを止めたりします。
人工授精を行っても、精子と卵子の結合を妨げるなど不妊の原因になります。
この次は、男性不妊症の原因について詳しく紹介します。まだまだ続きます。
男性不妊症の原因
男性不妊症の原因として
・性機能障害
・造精機能障害
大まかに分けて、2つに分類されます。
●性機能障害
EDなどが原因で、精子が放出できない状態です。精神的なストレスも不妊の原因になります。
不妊治療であるはずのタイミング法を指導されてEDになる人もいて、本末転倒なことになることもあります。
●造精機能障害
精子が造成される過程において、何らかの障害がある状態です。精子そのものがなかったり、運動率や異常率が高いなど不妊の原因になります。
不妊症は、自分では気が付きにくい症候群です。半年ぐらいタイミングを取ってみて妊娠できない場合は、夫婦で不妊外来を受診することをおすすめします。
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