習慣流産
習慣流産とは、連続して3回以上流産を繰り返すことで不育症に含まれるものです。
流産は、妊娠の中で最も多い合併症で妊娠した人の約15%に起こるとされています。6人に1人ぐらいの割合で起こっています。
流産する確率は、妊娠年齢とも関係していて年齢が高くなるにつれて流産率も高くなることが分かっています。特に35歳を過ぎると高くなり、35~39歳で約20%、40~44歳で約40%の人が流産するというデータもあります。
また、不妊症も年齢が大きく影響していて、35~39歳で約30%、40~44歳で約64%の人が妊娠できなくて悩んでいるようです。
参考:習慣流産・不育症グループ:習慣流産・不育症のみなさんへ|名古屋市立大学大学院医学研究科産科婦人科(名市大 産婦人科)教授 杉浦真弓
習慣流産や反復流産などは不育症の一部として、検査や治療が進められることが多いです。
妊娠したいと思ったら、すぐに妊活を始めることが大切です。
習慣流産の原因
反復流産(2回以上繰り返する流産)や習慣流産のなどの不育症の原因として
・抗リン脂質抗体
・夫婦どちらかの染色体均衡型転座
・子宮の形状異常
・胎児染色体数的異常
このようなことが原因で不育症が起こると考えられています。

妊娠前から初期にかけて葉酸を摂取することで、先天性の異常である、「神経管閉鎖障害」のリスクを70%も低減できることが分かっています。
日頃から、十分な量の葉酸を摂取することが大切です。
詳しくは、下記ページで説明しています。読んでみてください。
●妊娠前・初期に絶対必要な葉酸

赤ちゃんとママの明るい将来のためにも、今すぐ葉酸を摂取するようにしてくださいね。
葉酸サプリの選び方については、失敗しない!葉酸サプリの選び方で解説しています。こちらも併せて読んでみてみてください。
この次は、習慣流産の検査や治療法を紹介します。まだまだ続きます。
習慣流産の検査や治療法
ほとんどの流産は、胎児側に原因があるため治療を行うことができません。
ですが、全体の2割弱が母胎側の原因で流産が起こる可能性があるとされています。原因としては、抗リン脂質抗体約10%、夫婦染色体異常6%、子宮奇形3.2%の頻度で起こるとされています。
習慣流産と思われる人には、こういった原因がないか検査を進めます。
■習慣流産の検査
習慣流産のは次のような検査が行われます。ここでは標準的な検査を紹介します。
名古屋市立大学で行われる検査は
●抗リン脂質抗体
ループスアンチコアグラント*配慮
(リン脂質中和法 290)
ループスアンチコアグラント
(希釈ラッセル蛇毒法 290)
抗β2glycoprotein I・カルジオリピン複合体抗体 (223)
ループスアンチコアグラント (希釈aPTT杉浦法)
●子宮の形状異常
子宮卵管造影(518)と超音波検査(530)
●夫婦染色体異常
G分染法(3127)
●内分泌異常
糖尿病:空腹時血糖(11)
甲状腺機能異常:TSH (112), FT4 (114)
多のう胞性卵巣症候群
●胎児染色体異常
絨毛染色体G分染体
このような検査があります。検査項目は、施設や個人の状態によって変わってくることがあります。
習慣流産は、自然妊娠を3回以上繰り返すことと定義されています。流産を繰り返す場合は、母胎側に原因があるかもしれないので不育症外来を受診することをおすすめします。
この他、不育症の症状については不育症の症状で、不育症全般の話題は不育症で詳しくまとめています。読んでみてください。
妊娠では、妊娠したい人や妊娠初期の人に向けた情報がたくさんあります。参考にしてください。