排卵誘発の方法
排卵誘発の方法は、大きく分けて薬を飲んで誘発する方法と注射によって排卵を促す方法の2つがあります。どちらの排卵誘発の方法を行うかは個人の状態によって異なります。
排卵誘発が対象となる人は、自身が排卵が起こっていないか、グレードのよい胚の排卵を促す人が対象となります。
様々な排卵誘発の方法
それでは、具体的な排卵誘発の方法を紹介します。
●内服で排卵を誘発
内服によって排卵を誘発する方法です。内服せずに自然に排卵されるのを待つ方法もあります。
・完全自然周期法
・内服による低刺激排卵誘発
内服薬に用いられるのは、セキソビット、クロミッド、フェマーラなどです。作用が弱いのはセキソビット、それより作用が強いのがクロミッド、フェマーラになります。
●注射による排卵誘発
FSHやLHといったホルモンを注射して卵胞が育ってきたらHCGに切り替えて排卵を促す方法です。注射による排卵誘発は、毎日注射を行うために産婦人科に通うことになります。
注射による排卵誘発は、内服薬によるものと比べて強力に排卵を促すことができますが、同時に副作用のリスクも高くなります。
この次は、排卵誘発による副作用について詳しく紹介します。まだまだ続きます。
排卵誘発による副作用
注射による排卵誘発は、強力に排卵を促すことができますが、同時に大きな副作用を起こすことがあります。
■排卵誘発による副作用
・卵巣過剰刺激症候群(OHSS)
・卵巣茎捻転
・多胎妊娠
このような副作用が起こることがあります。
●卵巣過剰刺激症候群(OHSS)
注射の影響などで卵巣が大きく腫れ上がる症状です。通常は3cmぐらいの卵巣が排卵後には10cm前後に腫れ上がることがあります。
卵巣が腫れ上がると腹水や胸水がたまる、体重が増加するなどの副作用があります。
妊娠していなければ約1週間ぐらいで治まってくるようですが、妊娠していると症状が3ヶ月ぐらい続くことがあります。
●卵巣茎捻転
腫れた卵巣がねじれて激しい腹痛を起こすことがあります。
●多胎妊娠
強力に排卵を促すために一度に多数の排卵が起こる場合があります。このため双胎妊娠する確率が上がります。
排卵誘発の方法は、個人によって違ってきます。それぞれの状態に合わせた排卵誘発の方法が選択されるようになります。場合によっては経過観察が必要になることもあるので、産婦人科医からの説明を十分に聞いて理解しておくことが大切です。
自然周期法と体外受精
自然周期法で体外受精を行っている産婦人科やクリニックは多くあります。あるデータでは、体外受精全体の約40%を占めると言うデータもあります。比較的一般的な体外受精法です。
自然周期法のメリットとして、他の排卵誘発方法に比べて体や卵巣への負担が少ない、費用が安い、通院の回数が少ない、安全性が高い、先天性異常のリスクが軽減、37歳を過ぎても妊娠率がよいなどのメリットがあると言われています。
自然周期法は基本的に採卵数は1個となります。全卵採取する施設では、複数個採取されることもあります。排卵誘発剤を用いないため採卵数は少ないものになるのが一般的です。
自然周期法を行う人には条件があります。排卵がある、月経周期が26日~34日、場合によっては37歳以下の人が当てはまるようになります。詳しくは体外受精を行う施設に問い合わせてみましょう。詳しくは自然周期法と体外受精で説明しています。
この他、不妊治療については不妊治療の種類で詳しくまとめています。
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