不育症と漢方
不育症の治療に漢方が用いられることがあります。ここでは、不育症や不妊症治療に漢方治療を行っている東京都港区の堀産婦人科の治療法を中心に紹介します。
不育症に対する漢方療法は、主に自己免疫異常や原因不明の不育症に対象となります。
参考:堀院長のまめ知識コラム Vol.13【妊娠中の漢方治療】 | 堀 産婦人科(港区 品川区 目黒区 大田区)
不育症とは?
堀産婦人科によると、不育症とは「妊娠しても流産や死産を繰り返し健康な赤ちゃんが授からない状態」としています。通常、2回以上繰り返す流産を反復流産、3回以上流産を習慣性流産と表現します。
流産の原因は、その多くは胎児側の染色体異常が原因とされますが、何回も流産を繰り返す場合は母胎側に原因があることがあります。
何回も繰り返す場合は免疫環境のバランスが崩れていることも考えられます。
不育症の定義としては「2回以上流産を繰り返す状態」となるので、流産を繰り返す場合には不育症として治療を行うことも選択肢の一つです。
不育症治療の漢方薬
不育症治療に用いられる漢方薬は当帰芍薬散と柴苓湯です。これらの漢方薬は免疫機能調節作用があるとされています。
不育症の治療は妊娠前から継続的に治療を行うことが前提になります。不育症治療にステロイドやアスピリンを服用するよりも漢方を用いた方が適しているとされます。
ですが、柴苓湯には肝機能障害のリスクを高めることがあり定期的なチェックも必要になります。
この次は、漢方薬の副作用と妊娠中に服用に注意する漢方薬について詳しく紹介します。
漢方薬の副作用
漢方薬には、自然で体に優しいイメージがありますが、西洋の薬と同じように副作用を持つものがあるので注意が必要です。
■妊娠中に服用に注意する漢方薬
・大黄
下痢作用や子宮収縮作用があるため
・乾姜
利尿作用があるため
・麻黄
発汗作用があるため
これらの成分は「発汗、瀉下、小便の利は禁ず。」の三禁にあたるため妊娠中は避けるようになっています。
この他にも薏苡仁(鳩麦)蘆薈(アロエ)なども妊娠中は控えた方がよい薬となっています。
このように不育症に漢方が用いられることがありますが専門的な知識が必要なので、必ず産婦人科医など知識のある人に相談してから服用するようにしましょう。
この他、不育症全般については不育症で詳しく解説しています。読んでみてください。
妊娠では、妊娠したい人や妊娠初期の人に向けた情報がたくさんあります。参考にしてください。