体外受精とは?
体外受精とは、通常は子宮内で行われる精子と卵子の受精を体外で行い、ある程度分割が進んだ胚を子宮内に戻す不妊治療の一つです。
体外受精は、人工授精よりも高度な生殖補助医療(ART)で、タイミング法や人工授精で妊娠できなかった場合にステップアップとして検討されます。
人工授精よりも高額な費用が掛かるため、治療を受ける際には十分な説明を受けることが大切です。
2003年には、65人に1人の割合で体外受精の赤ちゃんが誕生しています。
体外受精の適応になる例
体外受精の適応になる例は
・精子に問題がある場合
・卵管に問題がある場合
・免疫が原因の不妊
・原因不明の不妊
・妊娠困難な例 など
このような例が適応になります。
●精子に問題がある場合
乏精子症や無精子症など、自然妊娠は困難な男性不妊がある場合が適応になります。タイミング法や人工授精でも妊娠できなかった場合も体外受精が検討されます。
●卵管に問題がある場合
卵管が詰まっていたり癒着がある場合には、卵子がうまく移動できずに受精できない場合があります。
●免疫が原因の不妊
免疫が原因で妊娠できない場合には体外受精の適応になります。
●原因不明の不妊
原因不明の不妊で卵子をうまくキャッチできないピックアップ障害があります。このときも体外受精の適応となります。
●妊娠困難な例
子宮内膜症や子宮筋腫などで妊娠が困難な場合にも検討されます。
この他にも本人やパートナーの状態によっては体外受精の適応となる場合があります。
この次は、体外受精のリスクについて詳しく紹介します。まだまだ続きます。
体外受精のリスク
体外受精を受ける際のリスクとして
・多胎妊娠
・OHSS
・流産率の上昇
などがあります。
●多胎妊娠
体外受精は、一度に複数の卵胞を刺激するため、どうしても多胎妊娠のリスクが高くなります。
通常の自然妊娠では約1%ですが、体外受精になると約15%程度にまで上昇します。
●OHSS(卵巣過剰刺激症候群)
体外受精では、排卵誘発剤を使用するため、刺激によって卵巣が腫れたり腹水や胸水が貯まるなどの副作用があります。OHSSの兆候としてお腹が張る、下腹部痛があるなどの症状があります。
通常はOHSSを避けるために、排卵誘発剤を慎重に投与します。
●流産率の上昇
自然妊娠の流産率は15%程度ですが、体外受精の場合には22%程度まで上昇します。
体外受精は、この他にも様々な副作用やリスクが存在するため、事前に十分な説明を受けることが大切です。
この他、不妊治療については不妊治療の種類でまとめています。
妊娠では妊娠から出産までの疑問や対処法をたくさん紹介しています。読んでみてください。