精子無力症とは?
精子無力症とは、通常の人に比べて精子の運動率が低下している状態で、精子の運動率によって軽度、中等度、重症度に区分されています。
通常では、精子の運動率が70~80%となっていますが、軽度で50%、中等度で20~40%、重症度では10%以下の運動率となっています。
WHOの基準によれば、総運動率40%以上、前進運動精子32%以上となっています。
しかし、運動率は採取された時期によって変動があるため、一定の期間を設けたあとで複数回検査されます。
精子無力症の原因
精子無力症の原因として
・先天的な原因
・前立腺炎
・おたふく風邪や高熱
・精索静脈瘤
このようなことが原因で精子無力症になると考えられています。
精子無力症などの男性不妊は、不妊の原因の約半数を占めるものとなっています。
■男性不妊の原因
日本産科婦人科学会の学会誌「日産婦誌61巻6号」によると
(1)造精機能障害
(2)精路通過障害
(3)副性器障害
(4)精機能障害
以上の4つに分類されます。
この中で最も多いのが造精機能障害です。精子が形成する過程で何らかの障害があり成熟できない状態になります。
男性不妊の割合は
(1)造精機能障害
特発性造精機能障害 63.2%
精索静脈瘤 25.1%
染色体異常 2.3%
(Kleinefilter症候群) (1.7%)
(2)精路通過障害
閉塞性無精子症(造精機能正常) 4.9%
(3)副性器障害
前立腺炎 0.9%
(4)精機能障害 2.2%
不妊の原因は特発性造精機能障害と精索静脈瘤が多いことが分かります。
この次は、精子無力症と自然妊娠について詳しく紹介します。
精子無力症と自然妊娠
精子無力症でも自然妊娠できるのか?の疑問ですが、症状の進行具合にもよりますが、かなり難しいと言わざるおえません。
症状の状態が軽度であれば、薬物や漢方療法などで改善できる可能性もありますが、中等度、重症度になると人工授精(AIH)や体外受精、顕微授精が適応されることが多いようです。
精子無力症でも、奇跡的に自然妊娠できた例もありますが、そう多くはありません。確率的には、かなり厳しい数字です。
自然妊娠にこだわりすぎると、妊娠できるチャンスを失うことも考えられます。
女性の妊娠できる確率は、年齢が高くなるごとに低下していくことが分かっています。35歳を過ぎると急激に低下します。40歳を過ぎると妊娠することが困難になります。
年齢が若ければ、タイミング法などを試すことも選択肢ですが、そうでない場合は不妊治療を専門としている産婦人科医、泌尿器科医と十分に相談して、今後の治療方針を決めることが大切です。
妊活は、夫婦二人で行うものです。高度な治療を受けるとなると費用面でも高額になることが多いです。夫婦で今後どうするのか十分に話し合うようにしましょう。詳しくは精子無力症で自然妊娠?で説明しています。
この他、男性不妊と自然妊娠については男性不妊と自然妊娠で自然妊娠する方法については自然妊娠する方法で詳しく説明しています。
妊娠の可能性がある症状については妊娠の可能性がある症状で解説しています。
妊娠したい人向けの話題は妊娠したいでまとめました。
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