精子無力症で自然妊娠?
精子無力症と診断されると、自然妊娠の可能性は0でしょうか?
精子無力症でも、自然妊娠できた例はありますが通常の妊娠より困難になるとされています。
病気の診断は、WHOの基準値を用いて行われます。
●精液検査のWHOの基準値
・精液量 2.0ml以上
重量を測定する.比重 1として 1.0g=1.0mlとして精液量を換算する。
・pH 7.2以上
・精子濃度 20×10の6乗/ml以上
・総精子数 40×10の6乗以上
・精子運動率 50%以上
A:速度が速く,直進する精子,
B:速度が遅い,あるいは直進性が不良な
精子,
C:頭部あるいは尾部の動きを認めるが,
前進運動していない精子,
D:非運動精子,
運動率は A+Bの割合(%)で示す
・精子正常形態率 15%以上
Krugeretal.の strictcriteriaに準じる
・精子生存率 75%以上
・白血球数 1×10の6乗/ml未満
上記の基準に従って判定されます。
この数値に照らし合わせて、病名が確定します。精子無力症は運動率50%未満の検査結果です。この他には
・乏精子症 精子濃度 20×106/ml未満
・奇形精子症 形態正常精子 15%未満
・乏精子-精子無力-奇形精子症 精子濃度,運動率,正常形態率のすべてが異常
・無精子症 精液中に精子が存在しない(遠心分離で確認)
・無精液症 精液が射精されない
このように診断されます。検査の数値によっては単独ではなく複数の病名が付くこともあります。
自然妊娠は完全に無理?
精液検査は精子の状態を検査するものです。この数値で病名が分類されるのですが、無精子症、無精液症を除いては自然妊娠できる可能性は0ではありません。
自然妊娠できた例は、不妊治療をお休みしているときや止めた後に妊娠した例もあります。
精子無力症や乏精子症、奇形精子症と診断されても自然妊娠できた例はいくつかあります。でも、その確率はそんなには高くないことも覚えておくことが大切です。
この次は、精子無力症と診断されて自然妊娠を目指す場合の注意点を紹介します。まだまだ続きます。
自然妊娠を目指す場合の注意点
精子無力症に限らず、自然妊娠を目指す場合の注意点を紹介します。
・夫婦の年齢が若いこと。
・女性側に不妊の原因がないこと。
・定期的に仲良ししていること。
・ストレスが溜まっていないこと。
・たばこ、アルコールを摂取していないこと。
・食生活が偏っていないこと。
・睡眠が不足していないこと。
この他にも様々なことで妊娠できない不妊の原因になっています。
特に年齢と不妊は大きく関係しています。年齢が若ければ精子無力症でも自然妊娠への取り組みを行っても可能性がわずかでもありますが、35歳を過ぎると妊娠すること自体難しくなってきます。
夫婦の年齢が高い場合は、自然妊娠より人工授精、体外受精のほうが妊娠できる確率が高くなる傾向があります。
不妊の原因は、男女両方に同じぐらいあります。夫婦で妊活に取り組むことが非常に大事になります。人工授精、体外受精などの生殖補助医療は費用が高額になるため、夫婦で不妊治療の専門医と十分に話し合うことが大切です。
この他、精子無力症全般については、男性不妊と自然妊娠については男性不妊と自然妊娠で紹介しています。
自然妊娠する方法については自然妊娠する方法で詳しく説明しています。
妊娠の可能性がある症状については妊娠の可能性がある症状でまとめました。
妊娠したい人向けの話題は妊娠したいで解説しています。
妊娠では、妊娠したい人や妊娠初期の人に向けた情報がたくさんあります。参考にしてください。