子宮鏡検査
子宮鏡検査(子宮内視鏡)は、膣や子宮頸部、子宮腔内を観察できる検査です。不正出血や月経の量が多い、不妊症・不育症などのときに行われます。
必要に応じて検査前に、血液検査や感染症の検査、腟分泌物培養、子宮頸管クラミジア検査などが行われます。検査自体は外来でも受けることができて、入院でも短期間で済む検査です。
子宮鏡検査を行う疾患
日本産科婦人科学会によると、子宮鏡の適応になるのは以下の疾患となります。
症状・既往による子宮腔内精査,子宮腔内病変・奇形・異物の精査を対象とする.
①不正子宮出血,過多月経
②不妊症,不育症
③子宮内膜細胞診に異常所見のある症例
④子宮卵管造影に異常所見のある症例
⑤子宮腔内病変(腫瘤性病変)―子宮内膜ポリープ,粘膜下筋腫,子宮体癌
⑥子宮腔癒着(Asherman’s syndrome)
⑦胎盤遺残,胎盤ポリープ
⑧子宮奇形
⑨子宮内異物(IUD)
子宮内膜ポリープや子宮奇形は、不妊症・不育症の原因となっているため、不妊や不育症が疑われるときにも実施されます。
子宮筋腫で子宮鏡手術も
子宮鏡は、検査だけでなくそのまま手術へ移行することがあります。
子宮鏡下手術は、従来の開腹手術と比べて侵襲や痛みが軽減され、手術による癒着を回避することができ、入院も短縮できるメリットがあります。
子宮筋腫(粘膜下筋腫)で子宮鏡手術になることもあります。
この他にも子宮内膜ポリープ、子宮頸管ポリープ、子宮腔癒着症,中隔子宮と過多月経などが適応となっています。

妊娠前から初期にかけて葉酸を摂取することで、先天性の異常である、「神経管閉鎖障害」のリスクを70%も低減できることが分かっています。
日頃から、十分な量の葉酸を摂取することが大切です。
詳しくは、下記ページで説明しています。読んでみてください。
●妊娠前・初期に絶対必要な葉酸

赤ちゃんとママの明るい将来のためにも、今すぐ葉酸を摂取するようにしてくださいね。
葉酸サプリの選び方については、失敗しない!葉酸サプリの選び方で解説しています。こちらも併せて読んでみてみてください。
●子宮鏡手術が適応となる基準
子宮鏡手術が実施されるには以下のような基準があります。
1.粘膜下筋腫
①筋腫最大径が50mm 以下
②子宮の大きさが鵞卵大以下
③子宮腔内への突出率が30%以上(MRI あるいは Sonohysterograpy(SHG)による測定)
④過多月経,不正子宮出血がある症例
⑤妊娠歴および不妊期間は問わない
⑥悪性所見がないこと
2.子宮内膜ポリープ
①子宮内膜ポリープの長径が1.0cm 以上でなおかつ 1 コである,あるいは,子宮内膜
ポリープの長径が0.5cm 以上でなおかつ 2 コ以上である
②過多月経,不正子宮出血がある症例
③妊娠歴は問わない
④不妊期間が 1 年以上
⑤悪性所見がない
3.中隔子宮
① 2 つ以上の検査方法(子宮鏡,超音波法、SHG、MRI、子宮卵管造影)で診断
②不妊期間が 2 年以上,あるいは不育症である
4.子宮内膜破壊
①過多月経,不正子宮出血がある症例
②重症貧血がある症例
③挙児希望がない症例
最近では、なるべく負担の少ない手術へと移行しています。子宮鏡手術もその一つです。手術適応である子宮内膜ポリープは不妊の原因の一つです。なかなか妊娠できないと思ったら早めに婦人科を受診するようにしましょう。
不妊の原因については不妊の原因で、不妊検査については不妊検査に載せています。
妊娠では妊娠から出産までの疑問や対処法をたくさん紹介しています。読んでみてください。