男性不妊症
男性不妊は、不妊全体で大きな割合を占めています。不妊治療を受ける上でパパとママが一緒になって検査を受けることが大切です。
男性不妊では、タイミング法や人工授精で妊娠できないときもあり、IVFなどが治療の選択肢となることもあります。
不妊に悩むカップルは120万組いると言われ、晩婚化により増加傾向にあります。
男性不妊の原因
男性不妊の原因を大きく分類すると、造精機能障害・精路通過障害・副性器障害・精機能障害に分けられます。旭川医科学大学産婦人科のデータによると造精機能障害が全体の約90%を占めているとしています。
参考:男性不妊とその要因
造精機能障害は、原因不明のものも多く様々な不妊検査を通して原因を探っていく必要があります。男性不妊はおまり一般的に知られていないので、夫婦間よく話し合っておくのがよいでしょう。
疾患の内訳をみてみると
(1)造精機能障害
特発性造精機能障害 63.2%
精索静脈瘤 25.1%
染色体異常 2.3%
(Kleinefilter症候群) (1.7%)
(2)精路通過障害
閉塞性無精子症(造精機能正常) 4.9%
(3)副性器障害
前立腺炎 0.9%
(4)精機能障害 2.2%
となっています。
●造精機能障害
造精機能障害とは、精巣で精子を作る過程において何らかの障害があることを言います。中でも原因不明の特発性造精機能障害が全体の約6割を占めています。
この他の造精機能障害は、精索静脈瘤、染色体異常、停留精巣、精巣炎、ホルモンなどの内分泌性のもの、周りの環境に影響される環境性のものがあります。
●精路通過障害
精路通過障害とは、精子の通り道が何らかの原因で障害され不妊となるものです。精子が作られるが精路通過障害となる閉塞性無精子症や炎症、パイプカットや鼠径ヘルニアの手術後などが起こる原因と考えられています。
●副性器障害
前立腺などの副性器が炎症を起こして癒着や機能不全になる障害です。

妊娠前から初期にかけて葉酸を摂取することで、先天性の異常である、「神経管閉鎖障害」のリスクを70%も低減できることが分かっています。
日頃から、十分な量の葉酸を摂取することが大切です。
詳しくは、下記ページで説明しています。読んでみてください。
●妊娠前・初期に絶対必要な葉酸

赤ちゃんとママの明るい将来のためにも、今すぐ葉酸を摂取するようにしてくださいね。
葉酸サプリの選び方については、失敗しない!葉酸サプリの選び方で解説しています。こちらも併せて読んでみてみてください。
男性不妊の検査
男性不妊の検査は、まず精液検査を行います。精液検査のガイドラインは「精液検査標準化ガイドライン」で設定されています。要旨は以下の通りです。
精液量は重量法により測定
(2ー7⽇の禁欲後、1時間以内に検査)(2003年)
■精液量は重量法により測定
■精⼦濃度と精子運動率は別々に測定
(Makler chamber は推奨されない)
■精子濃度の測定には精⼦を不動化し適切な倍率に希釈し
血球計算版にて行う
■精⼦運動率測定はスライドグラスに載せカバーグラスで
覆い400倍 の顕微鏡下に行う(接眼レンズに格子を入れる)
■正常形態率はDiff-Quikで染⾊した後strict criteriaの形態分類
に準拠する
精液検査標準化ガイドラインでは、実際の臨床の場において煩雑になり試行が困難という意見もあります。
参考:男性不妊とその要因
実際の精液検査の内容は精液検査を参照してください。
男性不妊の治療
主に薬物による治療法と手術による治療法があります。前立腺炎、精巣上体炎、前立腺炎などには抗生剤が投与されます。最近増加傾向にあるクラミジアなどの性感染症の場合は、パートナーにも感染している可能性もあるため一緒に検査を受けて治療することが必要です。
精索静脈瘤に対しては漢方薬がよいときもあります。また、手術も行われることがあります。
精路通過障害では、塞がっているところをつぎ直して再開通させる手術も行われます。この手術で妊娠率が向上することが期待されます。
妊娠を目指すには体の健康管理が大切です。特に精子は、ストレスや体調によって変化しやすいため日頃の体調管理が重要になってきます。お膜ストレスを解消して妊娠を目指してください。
この他、女性を含めた不妊の原因については不妊の原因にまとめています。
妊娠では妊娠から出産までの疑問や対処法をたくさん紹介しています。読んでみてください。