生理不順とピル
生理不順にピルが有効とされ、病院でも処方されます。ピルは生理不順の他にも月経困難症や月経前・生理前症候群(PMS)の治療、避妊などを目的に処方されます。
生理不順にピルを使うことで、重い生理痛やおりものなどが改善されスムーズな生活を送れるようになります。
治療に使われるピルは、2008年7月から販売が開始された低用量ピル(OC)が主流になっています。副作用も少なく症状も改善されるので多く処方されるようです。
生理不順の原因
生理不順の原因は、卵巣で卵胞(卵子を包んだ膜)が育たなくて排卵できない、いわゆる無排卵の状態の人がなりやすいと言われます。
妊娠にも関係する卵胞ですが、育ちが悪いとホルモンバランスまで影響して生理不順を引き起こしやすくなります。治療にはピルやホルモン剤を使う方法と漢方を使う方法があります。
ピルを飲むことに抵抗がある人は、漢方を選択することが多いようです。
ピルは治療薬として利用されている
ピルは生理不順の治療薬として使われていますが、この他にも月経困難症や月経前症候群(PMS)、避妊や子宮内膜症、過多月経。貧血などの治療にも使われています。
子宮筋腫の治療にもピルが使われます。子宮筋腫はホルモンと関係が深く、ピルを使うことで症状が楽になり筋腫も大きくなりません。また、更年期のような症状もないので処方されることが多いです。
低用量ピルって何?
低用量ピルとは、エストロゲンの含有量が50μg以下のものです。ホルモンの量が少ないので従来のピルに比べて副作用が少ないのが特徴です。
低用量ピルに関しては下記のHPが参考になります。
参考:低用量ピル(OC)|お薬事典│ここカラダ
■ピルを飲むメリット
ピルを飲むメリットとしては、
・生理の周期がコントロールできる。
・生理痛が軽くなり出血も少なくなる。
・子宮内膜症の治療に使える。
・卵巣がんや子宮体がんのリスクを下げる。
・骨粗鬆症の予防。
などがあります。ピルを飲むことでQOL(生活の質)を改善することができるのです。
●生理の周期がコントロールできる。
ピルを飲むことで生理の周期をコントロールすることができます。きちんと飲むことで正しい28日周期の生理となり、旅行やイベントの予定が立てやすくなります。
生理を更に先に延ばすには、実薬を飲み続けることにより先送りできるようになっています。
●生理痛が軽くなり出血も少なくなる。
月経困難症など、強い生理痛を改善するのにもピルが処方されます。ピルを飲むことで重かった生理痛も軽くなり出血量も少なくなっていきます。
・月経困難症とは?
月経困難症とは、激しい下腹部痛や吐き気などで日常生活に支障が出ることをいいます。横になっても症状が治まらないことも。若い女性に多い病気ですが、20代になっても続くことがあります。
●子宮内膜症の治療に使える。
低用量ピルは2008年7月から、子宮内膜症の治療に使えるようになりました。従来は性腺刺激ホルモンを抑える治療薬が使われていたのですが、認可が下りたことによって低用量ピルを使う機会も増えてきています。
欧米では一般的に使われていて、生理痛の軽減や生理不順の改善にもいい影響を及ぼすため治療に用いられています。
・子宮内膜症とは?
子宮内膜症とは、子宮内膜の組織が別の場所で増殖する疾患で、強い痛みや出血を伴うことがある病気です。最近では増加傾向にあり、腰痛や痛みなどで生活に支障が出ることもあります。
子宮内膜症の治療は、病巣部分を取り除き薬でコントロールする治療も行われます。この病気は卵巣にも発生して、不妊の原因ともなっています。
●卵巣がんや子宮体がんのリスクを下げる。
従来、低用量ピルはがんのリスクを増大すると言われていましたが、近年の研究で卵巣がん、子宮体がんなどのリスクを約半分に下げると言う報告も出ています。
●骨粗鬆症の予防。
女性は閉経後、エストロゲンが急激に少なくなるため骨粗鬆症になりやすいと言われています。元々女性は男性よりも骨密度が低く骨折するリスクが高いとされています。
急激に骨の密度が低下するために骨折しやすくなります。ピルにはエストロゲンが含まれていて、骨粗鬆症の予防にもなると言われています。
■ピルを飲むデメリット
低用量ピルを飲むデメリットとしては、
・服用後最初の3ヶ月は出血や頭痛、吐き気があることがある。
・乳がんの発症リスク
・子宮頸がんの発症リスク
・血栓症
などがあります。因果関係が証明されていないものもありますが注意が必要です。
●服用後最初の3ヶ月は出血や頭痛、吐き気があることがある。
低用量ピルにはエストロゲンや黄体ホルモンといったホルモンが含まれているため、出血や度痛など生理のような変化が現れることがあります。
これは、体のホルモンバランスが変化するためで、通常3ヶ月程度で治まってきます。3ヶ月経っても症状がある場合には医師に相談しましょう。
●乳がんの発症リスク
乳がんの発症リスクについては、日本産婦人科学会編「低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン」では「いかなるリスク増加も小さいと考えら
れる。加齢とともに変化し、中止後 10年でリスク増加を認めなくなる 」とされています。
しかし、低用量ピルの注意書きには低用量ピル「乳がんの家族歴、または乳房に結節のある女性」には慎重投与するとなっています。これは乳がんがピルに含まれるエストロゲン由来のがんとされるためです。
●子宮頸がんの発症リスク
日本産婦人科学会編「低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン」によると、子宮頸がんの発症リスクは「5 年後の増加は小さいが、10 年後で 2倍増加する 」となっています。
卵巣がん、子宮体がんについては「10 年以上にわたってリスクが半減する」となっています。
●血栓症
低用量ピルで大きなリスクとなるのが血栓症です。家族に血栓症の人がいたり自分が血栓症になったことがある人は医師と十分に相談してみてください。
血栓症リスクの増加は使用開始後4カ月以内に認められ、中止後3カ月以内に非服用者のリスク値まで戻るといわれています。
詳しくは下記を参照してみてください。
参考:低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン (改訂版)日本産科婦人科学会編
ピルを飲むときは医師と相談する。
低用量ピルを飲むときは、医師と相談してから飲むのが大切です。ピルを自己判断で飲むのは避けましょう。
ピルは生理不順や生理痛を楽にしてくれる薬です。医師から十分な説明を受けて正しく使うようにしましょう。
飲むときは医師に相談してから 通販などで自己判断しない
ピルは子宮筋腫の治療にも使われる
ピルと関係がある生理不順に関しては生理不順で、生理周期は生理周期にまとめました。
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