月経困難症
月経困難症とは、日常生活に支障をきたすほどひどい腹痛や頭痛があることを言います。
生理痛が段々ひどくなっているときや重い生理痛を感じているときは子宮内膜症や子宮筋腫の可能性もあるので、産婦人科を受診するようにしましょう。
ここでは、月経困難症について詳しく紹介しています。
月経困難症の原因
月経困難症の原因は、自律神経の乱れや骨盤内の血流が停滞するなど色々ありますが、主な原因として考えられているのがプロスタグランジンの分泌異常です。
通常、プロスタグランジンは生理のときに子宮内にある子宮内膜組織などを子宮の外へ押し出す働きを持っています。このプロスタグランジンの分泌が増えると子宮が収縮して痛みを増幅させます。
またプロスタグランジンは、痛みに敏感になる性質もあるので、より痛みを感じやすいという特徴があります。
月経困難症は、器質性月経困難症と機能性月経困難症に分類されます。
■器質性月経困難症と機能性月経困難症
●器質性月経困難症
子宮内膜症や子宮筋腫といった婦人科疾患からくるものを言います。
【器質性月経困難症の特徴】
・発症時期 初経後5年以降経過
・好発年齢 30歳以降
・加齢に伴う変化 しだいに悪化
・妊娠分娩後の変化 不変
・双合診所見 子宮内膜症 子宮筋腫 子宮腺筋症など
・痛みの時期 悪化すると月経以外にも
・痛みの持続 1~5日間
段々生理痛がひどくなって経血の量も多くなります。子宮内膜症や子宮筋腫といった病気は不妊の原因にもなるので早めに治療することが大切です。
●機能性月経困難症
はっきりと原因が分からないものを機能性月経困難症と言います。
【器質性月経困難症の特徴】
・発症時期 初経後3年以内
・好発年齢 15~22歳
・加齢に伴う変化 しだいに軽快
・妊娠分娩後の変化 軽快ないし全快
・双合診所見 正常または発育不全
・痛みの時期 月経時のみ
・痛みの持続 4~48時間
年齢と共に軽快して
月経困難症の症状
月経困難症の症状としては次のようなものがあります。
・頭痛
・吐き気・嘔吐
・発熱
・腰痛
・下腹部痛
・下痢
症状としては生理痛・月経痛と同じ症状です。どれか一つ起こるのではなく複数が絡み合って症状が出ることが多いようです。
月経困難症の治療
月経困難症の治療は、器質性月経困難症に対してはそれぞれの病気に応じた治療が行われます。
機能性月経困難症では、アスピリン・バファリン・ロソキソニン・などの鎮痛剤の投与、漢方薬での治療が行われます。また、低用量ピルを使うこともあります。
月経困難症は治療すれば改善できるものです。生理ぐらいでと思うかもしれませんが、治療することで楽になることが多いので一度産婦人科を受診することをおすすめします。
生理痛全般に関しては生理痛で生理痛と関係の深い生理周期については生理周期でまとめています。参考にどうぞ。
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