不正出血と妊娠
不正出血で妊娠かどうか分からないときがあります。
ちょうど生理予定日ぐらいの妊娠初期に、着床期出血(中間期出血)があることがあります。この出血なら、妊娠している可能性があります。
着床期出血は、少量が2・3日程度で治まるもので、生理とはちょっと違ったものとなります。とはいえ、普通の生理前でも同じような感じとなることもあるため、着床時出血だけで妊娠しているかどうかは分かりません。
不正出血は、着床期出血の他にも子宮筋腫や子宮頸管ポリープ、子宮体がん、子宮頸がん、子宮頸部びらん、クラミジアなどの感染症によっても引き起こされます。
不正出血のあとに生理が来ないのは妊娠している可能性がありますが、他の病気で出血している可能性も否定できません。病気か妊娠かの判断は、素人には難しいので産婦人科を受診して判断してもらうようにしてください。
出血と妊娠検査薬
妊娠の可能性があって生理予定日ぐらいに少量の出血があったら、妊娠検査薬を使って妊娠しているか調べるのも一つの方法です。妊娠検査薬は、生理予定日から使えるチェックワンファストという検査薬もあるので使ってみるのもいいでしょう。
しかし、妊娠初期以外にも不正出血することが多いので、生理以外に出血したら、すぐに産婦人科を受診して診断してもらうことが必要です。

妊娠前から初期にかけて葉酸を摂取することで、先天性の異常である、「神経管閉鎖障害」のリスクを70%も低減できることが分かっています。
日頃から、十分な量の葉酸を摂取することが大切です。
詳しくは、下記ページで説明しています。読んでみてください。
●妊娠前・初期に絶対必要な葉酸

赤ちゃんとママの明るい将来のためにも、今すぐ葉酸を摂取するようにしてくださいね。
葉酸サプリの選び方については、失敗しない!葉酸サプリの選び方で解説しています。こちらも併せて読んでみてみてください。
妊娠以外の不正出血
妊娠初期の出血以外にも不正出血を起こす疾患があります。
■不正出血がある疾患
・ホルモンバランスの乱れ
・子宮筋腫
・子宮頸管ポリープ
・子宮頸部びらん
・子宮体がん、子宮頸がん
・子宮内膜症
・カンジタ、クラミジア
●ホルモンバランスの乱れ
過度なストレス(転勤や仕事の激務、人間関係など)行き過ぎたダイエットなどでも不正出血を起こします。ストレスを受けるとホルモンバランスが崩れて出血を起こすと言われます。
女性ホルモンの管理は脳の下垂体や視床下部が受け持っているものもあります。この部分が自律神経とも関わっていて、強いストレスを受けるとホルモンの分泌異常を引き起こすと考えられています。
また、行き過ぎたダイエットで急激な体重減少が起こると同様のことが起こるとされます。ダイエットで出血だけでなく生理も止まってしまうことがあります。
●子宮筋腫
子宮筋腫は、子宮の中や外側にコブができる疾患で、発生する場所で粘膜下筋腫、筋層内筋腫、漿膜下筋腫に分けられます。
この中で筋層内筋腫と言われる筋肉の中にできる筋腫が不正出血を引き起こすことがあります。筋腫が小さいと症状が出ないこともありますが、大きくなるにつれて出血などの症状が現れてきます。
症状としては不正出血、下腹部痛、不妊、頻尿、便秘などがあります。
子宮筋腫でも妊娠は可能とされます。ですが、筋腫が固いままになっていることもあり早産や流産の危険性があります。
●子宮頸管ポリープ
子宮の入り口である頸管にできるポリープからも不正出血を起こすことがあります。ポリープに刺激を受けると出血することがあります。
ほとんどは良性ですが、まれに悪性の場合もあるので注意が必要です。
●子宮頸部びらん
子宮頸部に炎症がありびらんを形成していることがあります。このびらんから不正出血を起こすことがあります。出血が止まらないときは焼灼術が施行されることもあります。
●子宮体がん、子宮頸がん
子宮の体部にできるがんを子宮体がん、子宮頸部にできるがんを子宮頸がんと言います。子宮体がんは50歳以降の人に多く発生して不正出血が主な症状となります。
子宮頸がんは、比較的若い女性に発生します。ヒューマンパピロマウイルス(HPV)に感染することと関連することが分かってきました。
●子宮内膜症
子宮内膜症は、何らかの原因で子宮内膜の組織が卵巣や周囲の臓器などに発生して出血を起こす疾患です。年々生理痛がひどくなったりしている人は子宮内膜症の可能性があります。
子宮内膜症が卵巣にできるとチョコレートのう胞になることがあります。周囲臓器にできると、臓器が癒着して不妊の原因になることがあります。
●カンジタ、クラミジア
カンジタやクラミジアなどの感染症も不正出血の原因となります。炎症が広がると卵管などが癒着して不妊の原因になることがあります。
このように不正出血は妊娠以外にも起こります。量が少ないから大丈夫!とは思わないで早く産婦人科を受診するようにしてください。
不正出血について詳しくは不正出血で、不正出血に関連がある生理周期については生理周期で詳しく解説しています。
妊娠では妊娠から出産までの疑問や対処法をたくさん紹介しています。読んでみてください。