頸管粘液検査
頸管粘液は、子宮頸管にある粘液で精子を子宮へと運ぶ重要な役割を持った粘液です。通常は粘りがあるのですが、排卵日になるとサラサラになって子宮頸部から子宮まで精子を運ぶ川のような状態となります。
排卵日の2日前から急激に増え始め排卵日には0.3ml以上になります。頸管粘液に異常があると、精子が子宮に進入できなくなって妊娠しにくい状態となります。頸管粘液検査は、これから不妊治療を進める上での目安となる検査です。
頸管粘液検査粘液は排卵日付近では、引き延ばすと10cmぐらいに伸びるくらいになります。このことで排卵日を予測することもあります。
頸管粘液検査はどんな検査?
排卵日付近で頸管粘液を注射器を使って吸い出します。吸い出した粘液の量や粘り具合、pHや伸びの長さ、シダ状結晶があるかどうかを調べます。
頸管粘液検査の費用
この検査はフーナーテストと同時に行われることが多い検査です。フーナーテストは保険適用で300円~400円程度です。
痛みはあるの?
基本的にフーナーテストと同じなので痛みはないです。
頸管粘液検査で分かること
頸管粘液の状態を調べることによって精子の通り道が塞がれていないかどうかを判定します。サラサラした状態では問題なく精子が通りやすいのですが、粘り気が強いと精子が子宮までたどり着くことができなくなり妊娠しにくい状態となってしまいます。
シダ状結晶は排卵日予測にも
頸管粘液中で確認されるシダ状結晶は唾液でも観察することができます。これを利用して排卵日を予測する排卵日測定器が市販されています。
頸管粘液が少ないと妊娠できない?
頸管粘液が少ないとほとんどの病院では人工授精へステップアップすることを進められます。これは、精子が子宮まで到達できないために妊娠できないと判断されているためです。
もちろん、卵管や子宮、血液やホルモンに異常が無いことが前提になっていて不妊の原因が粘液によるものと推定される場合です。
ですが、頸管粘液が少ないと妊娠できないというわけでもなく、不妊治療をお休みして人工授精へステップアップするかどうか悩んでいたら自然妊娠できたとか、フーナーテストの結果がダメで次に人工授精を考えていたら自然妊娠した人もいます。
粘液が少ないから妊娠できないとは言えないようです。

妊娠前から初期にかけて葉酸を摂取することで、先天性の異常である、「神経管閉鎖障害」のリスクを70%も低減できることが分かっています。
日頃から、十分な量の葉酸を摂取することが大切です。
詳しくは、下記ページで説明しています。読んでみてください。
●妊娠前・初期に絶対必要な葉酸

赤ちゃんとママの明るい将来のためにも、今すぐ葉酸を摂取するようにしてくださいね。
葉酸サプリの選び方については、失敗しない!葉酸サプリの選び方で解説しています。こちらも併せて読んでみてみてください。
粘液が少なくなる原因
頸管粘液が少なくなる原因には、排卵誘発剤のクロミッドなどを長期使用することでも起こります。排卵誘発剤の副作用で粘液が少なくなったり子宮内膜が厚くならなかったりというものがあるようです。また子宮の円錐切除の合併症として粘液が少なくなる場合があります。
性交時に粘液が増えるという説もありますが、それは成分が違う粘液で混ざった状態となるため全体量が増えるということだそうです。
頸管粘液を増やす
頸管粘液とエストロゲンは深い関係があります。粘液が少ないのはエストロゲンが抑制されていているためとして、エストロゲンによく似た大豆製品や納豆をすすめるものもあります。ですが、根拠はなく効果も不明です。
1日に1~2L以上の水を飲むと頸管粘液が増えるともいいます。こちらは婦人科医の意見でしたので参考までに載せています。
漢方では、炒り麦芽がよく使われるようです。この他にも爽月宝・婦宝当帰膠・星火逍遙丸・逍遙丸・杞菊地黄丸・海馬補腎丸(こちらは男性も飲む)・十全大補湯などがよく使われます。
漢方を使うと基礎体温が安定して規則正しい生理周期が戻ってくる人も多いようです。漢方を使うときは専門の薬局か不妊治療の専門医に相談してからがよいと思います。
お灸では八りょう穴(はちりょうけつ)が良いとも言われています。八りょう穴は子宮を整える作用があるようで上りょう、次りょう、中りょう、下りょうの左右4つのツボです。自分でお灸をするには難しい部位(おしりの上の方)なのでお灸の先生などにしてもらったほうがいいかもしれませんね。
八りょう穴を刺激する方法は、お灸の下にショウガをスライスしたものを置いてお灸をする「生姜灸」と言う方法もあります。
※エアロビクスが妊娠に良い?
エアロビクスは有酸素運動で下半身の血の巡りをよくする効果があるようです。3~4ヶ月続けることで体調が良くなり妊娠に至ったケースもあります。
妊娠できない原因は他にも
頸管粘液が少ないだけが妊娠できない原因ではありません。
妊娠できるまでには男女合わせて19のプロセスがあると言われています。このプロセスに一つでも障害があると妊娠まで進めないことになります。
不妊の原因は女性が4割、男性が4割、その他不明が2割あると言われています。女性にも男性にも妊娠できない理由があるので不妊を治療するには夫婦で受診することが大切です。
治療に際して男性側の協力が得られない(おかしな話ですが)人も多く悩んでいる人も多くいます。是非、夫婦で病院を受診して元気な赤ちゃんを授かってくださいね。
不妊の原因については不妊の原因で特集を組んでいます。参考にしてください。