血中ホルモン検査
血中ホルモン検査は、妊娠できない原因を調べるのに、とても大切な検査です。
血液中のホルモンを調べることによって正常に分泌されているかを判定します。
数値が悪くても妊娠できないということではないです。不妊が疑われるときに一般的に行われる検査です。
ここでは、プロゲステロンなどの基準値、正常値などを詳しく紹介しています。
プロゲステロンの基準値、正常値
■P4プロゲステロンの基準値
卵胞期 1以下 ng/mL
排卵期 1以下 ng/mL
黄体期 5~30 ng/mL
閉経期 1以下 ng/mL
血中ホルモン検査はどんな検査?
今の体の状態を知るために必要な血液検査です。生理周期によって分泌されるホルモンが違うので数回採血を行います。
FSH(卵胞刺激ホルモン)、LH(黄体化ホルモン)、PRL(プロラクチン)、エストロゲン(卵胞ホルモン)、プロゲステロン(黄体ホルモン)、甲状腺ホルモン(T3,T4)、AMH(抗ミューラー管ホルモン)などが測定されます。
血中ホルモン検査の費用
保険の適用や施設などによって変わりますが、大体1000~8000円ぐらいです。
血中ホルモン検査で分かること
卵巣の働きや卵子の発育を促すホルモンが正常に出ているか分かります。
ホルモンの値で脳の下垂体の病気や多胞性卵巣症候群(polycystic ovary syndrome, PCOS)の診断にも利用されます。
妊娠を考えるなら、先天性異常のリスクに注意!
妊娠を考えているママに知ってほしいことがあります。
それは、妊娠前から妊娠初期の期間に、重要な栄養素である葉酸が不足すると、「無脳症」や「二分脊椎」など先天性異常のリスクが高くなるということです。
葉酸は、色々な食品に含まれるので日頃の食事でも摂取できますが・・・
葉酸は絶対に必要な栄養素なので、不足しないように十分に注意してください。
詳しくは、下記ページで説明しています。読んでみてください。
赤ちゃんとママの明るい将来のためにも、今すぐ葉酸を摂取するようにしてくださいね。
葉酸サプリの選び方については、失敗しない!葉酸サプリの選び方で解説しています。こちらも併せて読んでみてみてください。
それでは、各ホルモンの基準値、正常値を紹介します。
高温期4〜5日目
高温期の4〜5日目に採血して
・E2(エストラジオール・エストロゲン)
・P4(プロゲステロン)
上記のホルモンを測定します。
■E2の基準値
卵胞期 13~70 pg/mL
排卵期 70~240 pg/mL
黄体期 70~160 pg/mL
閉経期 10以下 pg/mL
■P4プロゲステロンの基準値
卵胞期 1以下 ng/mL
排卵期 1以下 ng/mL
黄体期 5~30 ng/mL
閉経期 1以下 ng/mL
関連記事:
・黄体ホルモン(プロゲステロン)
月経2~4日目
月経2~4日目に採血をして
・FSH(卵胞刺激ホルモン)
・LH(黄体化ホルモン)
・PRL(プロラクチン)
上記の血中ホルモンを測定します。
■FSHの基準値
卵胞期 5.2~14.4 mIU/mL
排卵期 5.6~14.8 mIU/mL
黄体期 2.0~8.4 mIU/mL
閉経期 26.2~113.3 mIU/mL
■LHの基準値
卵胞期 1.8~7.0 mIU/mL
排卵期 5.6~34.9 mIU/mL
黄体期 1.0~7.8 mIU/mL
閉経期 6.7~38.0 mIU/mL
AMHで卵子の数が分かる
NHKの番組「クローズアップ現代」で放映された「産みたいのに産めない ~卵子老化の衝撃~」では、卵子が老化することが一般的に認知されるようになってきました。
現在は「首都圏ネットワーク」という番組でシリーズ企画「不妊社会~産みたい育てたい~」でテーマを発展して番組が続けられています。
卵子は33歳頃に質の低下が目立つようになり、35歳で卵子の数が激減します。37歳を超えると妊娠力そのものが低下していきます。「産科女医が35歳で妊娠してみた」の著者である宋美玄先生によると、妊娠するには「35歳の壁」と「37歳の壁」があるとのことです。
卵子の老化を図る目安としてAMH(アンチミューラリアンホルモン)があります。AMHは卵子の数を相対的に表している指標として不妊検査で測定されます。
AMHは、卵巣予備能(卵巣にどのぐらい卵子が残っているか)を測定するもので、最近になって一般的に測定されるようになりました。
数値は年齢と共に下がっていく傾向があります。しかし個人差が大きく正常値・基準値を設定できません。統計的に年齢と相関関係があり、同じ年齢で多いか少ないかを判断する目安となるものです。
AMHは血液検査で
AMHの測定は血液検査で測ります。検査時期は生理周期のどの時期でも測定できます。検査結果が出るまでには約1ヶ月掛かることもあります。
不妊の原因については不妊の原因で特集を組んでいます。参考にしてください。