低用量ピル(OC)
低用量ピル(OC:Oral Contraceptives)は、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモンが含まれている薬で主に経口避妊薬として処方されている薬です。
低用量ピルの作用は排卵の抑制なので、多嚢胞性卵巣症候群の治療やカウフマン療法に使われることもあります。
飲むことで月経をコントロールすることができ生理痛を軽くしたりPMS(月経前症候群)の軽減に効果があります。月経時の出血量の減少にも効果があり2周期以上服用して出血量が減少したという報告もあります。
また、子宮体がんや卵巣がんのリスクを減らすことでも知られています。
OCの避妊率は非常に高く正しく飲んだ場合の避妊率は99%以上と群を抜いて高いものになっています。コンドームの避妊率が85%~98%なので非常に高い避妊作用があります。
昔はホルモンの量が、OCの5倍から10倍と高かったため太る人もいたようですが、現在では太るということはあまりないようです。
低用量ピルとカウフマン療法
低用量ピル(OC)には排卵を抑える作用があります。これを利用して多嚢胞性卵巣症候群の治療やカウフマン療法に用いられます。卵胞ホルモンと黄体ホルモンを体内に投与すると体内のホルモン分泌が抑えられて排卵をお休みする状態となります。
多嚢胞性卵巣症候群はうまく排卵できない疾患なので、OCを使うことにより擬似的に正常な月経周期を作り出すことによって排卵を促します。内服終了後、数日(2~4日ぐらい)で出血があります。少量出血が続く時もあります。
内服中は卵巣がお休みできるため卵巣機能の回復が期待されます。実際に服用後に自然妊娠する人もいるので、排卵する確率は上がるようです。治療中の避妊が前提となっています。
多嚢胞性卵巣症候群の人が妊娠を希望するときは、排卵誘発剤などで排卵を促す治療法が行われます。
カウフマン療法は、OCを使うものの、避妊とは真逆の妊娠するための療法です。
低用量ピルの副作用
一番大きいものは血栓症です。OCを飲み始めて4ヶ月以内に血栓症のリスクが増大すると言われています。今は、低用量ピルが美肌効果があるとして第3世代のOCが注目を集めていますが、血栓症のリスクが従来の2倍あり注意が必要です。家族が血栓症や心臓病・脳梗塞などの病気にかかったことがある人は使用前に医師に十分に相談することが大切です。
OCを飲み始めたころに頭痛や吐き気、胸の張りなどを感じることがあります。2・3ヶ月続けて服用することで治まってきます。それ以上続くようであれば薬が合わないことも考えられますので主治医と相談してみてください。
治療については多嚢胞性卵巣症候群の治療で詳しく説明しています。参考にしてください。
POCSについては多嚢胞性卵巣症候群でまとめています。参考にしてください。
不妊に関係する病気は妊娠しにくい病気で詳しく紹介しています。
妊娠では妊娠から出産までの疑問や対処法をたくさん紹介しています。読んでみてください。