子宮内膜炎
子宮内膜炎とは、子宮の内側にある粘膜の子宮内膜が菌による感染を起こして炎症を起こしている状態です。
一般的な成熟女性は、頸管粘液でブロック、生理で内膜が剥離・再生を繰り返すため起こりにくいとされています。
慢性的な子宮内膜炎は、不妊の原因になることが分かってきているので、不妊で悩んでいるなら一度産婦人科を受診して原因は何か調べてもらうようにしましょう。
子宮内膜炎の原因
子宮内膜炎が起こる原因として
・菌による感染。
・結核菌による感染
このような原因があります。
●菌による感染。
淋菌、連鎖球菌、ブドウ球菌、大腸菌、クラミジアなどの菌が子宮内に入って感染して炎症を起こすものです。
出産や流産後、IUD(子宮内リング)の挿入後に感染しやすくなります。
●結核菌による感染
結核菌が、卵管結核を起こし子宮の中に入り込みます。まれにリンパや血液の流れに乗って感染を起こすこともあります。
この次は、子宮内膜炎の症状や不妊との関係について詳しく紹介します。
子宮内膜炎の症状
子宮内膜炎は、大きく分けて3つに分類されます。
・急性子宮内膜炎
・慢性子宮内膜炎
・老人性子宮内膜炎
種類によって症状も変わってきます。
■急性子宮内膜炎の症状
・激しい下腹部痛。
・発熱。
・腰痛。
・おりものが増える。
・不正出血。
■慢性子宮内膜炎
・ほとんど症状なし。
・まれに経血量の減少。
・無月経。
■老人性子宮内膜炎
・膿のようなおりもの。
・下腹部痛。
このような症状があります。
この中でも、慢性子宮内膜炎が不妊と関係があると言われています。
子宮内膜炎と不妊
子宮内膜炎のうち、慢性子宮内膜炎が不妊と関係していることが分かってきました。
医療法人オーク会HPによると、慢性子宮内膜炎を治療することによって妊娠率が改善できたということです。
慢性子宮内膜炎は、形質細胞というリンパ球が子宮内に入って起こす炎症です。
不妊で悩む方を対象に調査を行ったところ、反復着床不全の方の30%、原因不明不妊症の方の28%、原因不明習慣流産の方の12%に慢性子宮内膜炎が見られることが判明しています。
抗生剤による治療を行うと慢性子宮内膜炎が改善し、それにともなって妊娠率が改善したと報告されています。
不妊の原因は、この他にも結核性子宮内膜炎や非定型的内膜炎が関わっています。
不妊の原因は年齢も
最近の晩婚化、晩産化により妊娠年齢も上がってきています。妊娠する年齢が高くなると妊娠する確率も下がってくることが分かっています。
年齢と共に卵子も老化していきます。特に35歳を過ぎたあたりから急激に妊娠率が下がってきます。逆に流産する確率は上がってくるので妊娠しにくくなります。
妊娠したいと思ったら、すぐに妊活を始めてください。食事や生活習慣にも気を配って妊娠しやすい体を作っていくようにしましょう。
子宮内膜炎は、放置しておくと不妊の原因になるリスクが高くなります。下腹部痛やおりものの量が増えたらすぐに産婦人科を受診して原因を調べるようにしましょう。
この他、妊娠と感染症については妊娠と感染症で詳しく紹介してます。
妊娠では、妊娠したい人や妊娠初期の人に向けた情報がたくさんあります。参考にしてください。