妊娠と肥満
妊娠と肥満には深い関係があります。ここで言う肥満とは、BMIで25以上の人です。妊娠前から肥満だった人は特に注意をしましょう。
自分が肥満かどうかは、妊婦健診のときに分かります。健診でも医師や助産師さんに指摘されるので、指示を守って適正体重に戻るように努力しましょう。
肥満による妊娠のリスク
肥満があると、妊娠へのリスクが高まってきます。
■肥満による妊娠のリスク
・妊娠高血圧症候群
・妊娠糖尿病
・帝王切開分娩
・巨大児
・神経管閉鎖障害
・腰痛になりやすい
・妊娠線ができやすくなる
・脂肪で産道が狭くなる
・微弱陣痛になりやすい
・児頭回旋異常
・難産になりやすい
・弛緩出血を起こしやすい
・会陰切開や裂傷の傷が治りにくい
・元の体重に戻りにくい
これ以外にも様々なリスクが高くなることが知られています。
必要以上に体重が増えないように気をつけましょう。
この中でも特に気をつけたいのが妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病、神経管閉鎖障害です。
●妊娠高血圧症候群
妊娠高血圧症候群とは、妊娠による体の負担が大きくなって、高血圧や尿タンパクなどの症状が出ることです。
症状が悪化すると、子癇と呼ばれる痙攣発作が起きたりして、ママに重大な影響を及ぼすこともあります。
これといった自覚症状はないですが、浮腫が起こることがあります。
浮腫や血圧や尿タンパクは、妊婦健診のときに測定するので、忘れずに妊婦健診を受けるようにしましょう。
●妊娠糖尿病
妊娠中にインスリンの分泌が増加しますが、インスリンの働きが悪くなり糖代謝がうまくできなくなって糖尿病になることがあります。
妊娠糖尿病になる原因として、ホルモンバランスの変化や糖分の取り過ぎがあります。食べつわりになるとこの傾向が強くなりますので意識して糖分や塩分を控えることが大切です。
●神経管閉鎖障害
妊娠中に肥満があると、神経管閉鎖障害のリスクが高まると言われています。
神経管閉鎖障害とは、無脳症や二分脊椎といった背骨に関係する先天性の障害で、妊娠初期に葉酸を摂取することでリスクを軽減できることが知られています。

妊娠初期に葉酸を摂取することで、先天性の異常である、「神経管閉鎖障害」のリスクを70%も低減できることが分かっています。
日頃から、十分な量の葉酸を摂取することが大切です。
詳しくは、下記ページで説明しています。読んでみてください。
●妊娠初期に絶対必要な葉酸

赤ちゃんとママの明るい将来のためにも、今すぐ葉酸を摂取するようにしてくださいね。
葉酸サプリの選び方については、失敗しない!葉酸サプリの選び方で解説しています。こちらも併せて読んでみてみてください。
肥満があると、この他にも妊娠中や出産に影響が出ることがあるので、適正体重になるように食事内容を見直して軽い運動を行うようにしましょう。
この次は、肥満と妊娠中のダイエットについて詳しく紹介します。まだまだ続きます。
肥満と妊娠中のダイエット
肥満で妊娠中にダイエットを考えている人もいると思います。
しかし、妊娠中にダイエットをすることは推奨されていません。妊娠中の体重管理は、食事や運動で管理していきます。
妊娠中の体重増加は、7~12kgぐらいが理想と言われます。この範囲に収まるように食事や生活習慣を見直していきましょう。
特に食べつわりになると、食欲が増して食べたい欲求を抑えることが大変になります。
よく「妊娠中は二人分食べなきゃ!」と言ってどか食いする人がいますが、これをすると妊娠中期~後期にかけての体重管理が大変になります。
節度を持って食べるように心がけましょう。
妊娠中の肥満は、あまりいいことはありません。リスクを増やすだけなので肥満にならないように気をつけましょう。
詳しくは肥満と妊娠中のダイエットで説明しています。
肥満で妊娠、出産するリスク
肥満で妊娠することによって出産のリスクが高まることが分かっています。出産だけでなく、妊娠中にも色々なリスクが高まるので肥満にならないように体重管理していくのが大切です。
肥満における妊娠中のリスクは、妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病、神経根閉鎖障害のリスク増加などがあります。どの病気もママや赤ちゃんに大きな影響を与えるものばかりです。
これらの病気は、食事内容や運動によって改善することもできるものです。妊婦健診のときに産婦人科の医師や助産師さんから指摘されるので、指導内容を把握して適切な体重管理を行うことが大切です。
肥満による出産のリスクは、皮下脂肪で産道が狭くなる、微弱陣痛や児頭回旋異常が起こりやすい、弛緩出血のリスク増加、出産後の傷が治りにくいなど高いリスクになります。詳しくは肥満で妊娠、出産するリスクで解説しています。
この他、妊娠中期の注意点は、妊娠中期の注意点で、妊娠したい人向けの話題は妊娠したいで詳しく解説しています。
妊娠では、妊娠したい人や妊娠初期の人に向けた情報がたくさんあります。参考にしてください。