妊娠初期の咳
妊娠初期に咳が出て止まらないことがあります。咳が止まらないと、お腹に腹圧が掛かった状態になりお腹の赤ちゃんへの影響が心配になりますね。
咳がひどくなると、肋骨を骨折したり体力の消耗が激しくなるなどママに大きな影響が出ることがあります。咳が止まらないことが続くと咳喘息になったりします。
妊娠初期によく起こる止まらない咳は、咳喘息という病気かもしれません。
妊娠初期の咳の原因
妊娠初期に咳が出る原因は、次のようなものがあります。
・咳喘息。
・妊娠による抵抗力の低下。
・妊娠中の体内水分の不足。
・ホコリやハウスダスト。
このような咳の原因があります。
妊娠初期に咳が出る原因
■咳喘息。
意外に多いのが、妊婦さんの咳喘息です。今まで喘息が出ていなかった人も咳喘息を発症するリスクがあります。
喘息を持っているママが妊娠すると症状が悪化したり変わらない、軽快するなど個人差があります。
●喘息の治療は投薬が基本
喘息を持っている妊婦さんは、自己判断で薬を中止してしまうことがありますが、これは喘息の症状を悪化させる原因になります。薬物治療により喘息発作を抑えることが原則ですので、必ず医師の指示に従うようにしてください。
●妊婦さんに投与される喘息の薬
吸入薬
1.吸入ステロイド薬
2.吸入β2刺激薬
3.クロモグリク酸ナトリウム (DSCG)
4.吸入コリン薬
経口薬
1.テオフィリン徐放薬剤
2.経口β2刺激薬
3.経口ステロイド薬
4.ロイコトリエン受容体拮抗薬
古い世代の抗アレルギー薬
5.抗ヒスタミン薬
注射薬
1.ステロイド薬
2.アミノフィリン
その他
貼付β2刺激薬:ツロプテロール
痛み止めのアスピリンは、喘息には禁忌となっているので注意が必要です。
痛み止め自体、妊娠中はNGな成分が含まれていることがあるので、痛み止めを飲むときは必ず産婦人科の医師の許可を取って飲むようにしてください。
妊娠中に自己判断で薬を飲むことは危険ですので、止めるようにします。どんな薬でも、薬を飲むときは必ず産婦人科と相談して飲むようにしましょう。
咳喘息は、風邪を引いたあとに出ることがあります。妊娠初期は、風邪気味になる症状があるので咳喘息のリスクがあります。
■妊娠による抵抗力の低下。
妊娠すると、体の抵抗力が低下していきます。抵抗力が低下することで喉に菌やウイルスが付着しやすくなります。
この状態が続くと咳が止まらなくなるかもしれないので、早めに産婦人科を受診して治療を行うようにしましょう。
■妊娠中の体内水分の不足。
妊娠中は、お腹の赤ちゃんに水分や栄養が優先的に送られるために体内の水分が不足がちになります。
体が乾燥してしまうために、咳が出やすい状態になります。
喉を乾燥させないために、十分な対策を取ることが大切です。
■ホコリやハウスダスト。
ホコリやハウスダストも咳の原因になります。できるだけこまめに掃除することが大切です。
布団や毛布にハウスダストやダニがくっついていますので、掃除機をかけて吸い取るようにしましょう。
風邪の症状がなく咳が続く場合は、咳喘息の可能性があるので早めに産婦人科を受診するようにしてください。
激しい咳は、切迫早産の原因?
激しい咳の持続は、子宮収縮を起こし、切迫早産の原因となる可能性もあります。
参考: 愛知県薬剤師会 妊婦・授乳婦医薬品適正使用推進研究班
咳をすることでママの体力を消耗してしまうので、産婦人科へ行って治療するようにしてください。
妊娠初期は、先天性異常のリスクに注意!
妊娠初期のママに知ってほしいことがあります。
この時期は、脳や脊髄、心臓や肺といった重要な器官が作られる時期です。
この時期に、重要な栄養素である葉酸が不足してしまうと、「無脳症」や「二分脊椎」など先天性異常のリスクが高くなることが判明しています。
このことは、世界的な疫学的調査で分かっていることで、日本でも2002年に厚生労働省が妊娠初期の妊婦さんに葉酸を積極的に摂取するように通知を出しています。
葉酸は、普段の食事でも摂取できますが・・・
葉酸は絶対に必要な栄養素なので、不足しないように十分に注意してください。
詳しくは、下記ページを読んでみてください。
赤ちゃんとママの明るい将来のためにも、今すぐ葉酸を摂取するようにしてくださいね。
葉酸サプリの選び方については、失敗しない!葉酸サプリの選び方で解説しています。こちらも併せて読んでみてみてください。
この次は、咳が止まらないときの対処法について詳しく紹介します。まだまだ続きます。
咳が止まらないときの対処法
咳が止まらないときは次のような対処法があります。
・喉を潤す。
・部屋を乾燥させない。
・枕を高くしてみる。
・部屋や布団の掃除をする。
・咳が続くなら病院へ。
このような咳の対処法があります。
■喉を潤す。
喉が乾燥すると咳が出やすくなります。喉を乾燥させないように気をつけましょう。
水分を補給すると同時に、のど飴などで喉を潤すようにするとよいと言われます。水分は、冷たい飲み物は避けて温かいお茶などを飲むようにしましょう。
■部屋を乾燥させない。
部屋が乾燥していると、喉が渇いて咳がでやすくなります。部屋を乾燥させないように工夫しましょう。
加湿器で保湿する、冷房時にも湿度に気をつけるなど喉を痛めないように改善していきましょう。
■枕を高くしてみる。
咳は、夜寝るときや横になったときに出る傾向があります。一度咳が出ると止まらないことも多いです。
寝ているときに咳が出るときは、枕を高くしてみると治まってくることが多いです。試してみてください。
■部屋や布団の掃除をする。
部屋のほこりやハウスダストが咳の原因になっていることがあります。ホコリはすぐに溜まるので、まめに掃除をすることが大切です。
布団にもほこりやダニがいるので、布団を干すだけでなく掃除機で吸い取るようにしましょう。
■咳が続くなら病院へ。
咳が何日も続くようなら、早めに産婦人科を受診して治療するようにしましょう。
妊娠初期は使える薬も限られるので、医師と十分に相談してから飲むようにしましょう。
妊娠初期の咳は、一般的な妊娠初期症状の一つですが、何日も続くなら咳喘息かもしれません。早めに治療するように心がけましょう。
この他、妊娠初期の注意事項は妊娠初期の注意事項で、気をつけることは妊娠初期に気をつけることで説明しています。
妊娠初期の注意点は妊娠初期の注意点でまとめています。読んでみてください。
妊娠したい人向けの話題は妊娠したいで詳しく解説しています。
妊娠では、妊娠したい人や妊娠初期の人に向けた情報がたくさんあります。参考にしてください。