高齢出産
高齢出産は、若い人と比べるとリスクが高くなっています。妊娠しても継続できないことも多くなっています。出産や妊娠中にもリスクが高くなっていますので慎重に対応するようにしましょう。
年齢が進むほど妊娠しにくくなりますので、妊娠していない人は今すぐ妊活を始めてください。

高齢出産は何歳から?
日本産婦人学会によると35歳以上の初産婦と定義されています。つまり、35歳以上が高齢出産と呼ばれることになります。以前は30歳以上の初産婦が高齢出産の対象となっていましたが、現在はリスクの高い35歳以上を指すようになっています。
高齢出産の場合は、とくに初産婦(初めて子供を産む人)のほうがリスクが高くなることが知られています。
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高齢出産のリスク
高齢出産のリスクは、妊娠する前と妊娠したあとの二通りがあります。どちらも若い人35歳以下の人と比べてリスクが高くなっています。
■加齢による妊娠のリスク(女性因子)
1.形態学的異常のリスクの増大
(卵管炎,子宮筋腫,子宮内膜症等)
2.間脳・下垂体系の老化による排卵機構の障害
3.卵巣の加齢による変化
1) 卵の質の低下
2) 顆粒膜細胞の機能低下
3) 卵の染色体異常の増加
4.子宮内膜の胚受容性低下
年齢を重ねると卵子の質が低下していき、卵巣の機能も低下します。また、卵管炎や子宮筋腫など婦人科疾患が増え妊娠しにくくなっています。このような病気で生理不順を伴っていることも。
妊娠に関係するホルモンを管理している視床下部や下垂体に異常がある場合もあって、ホルモンバランスが崩れて妊娠できないこともあります、
妊娠前から初期にかけて葉酸を摂取することで、
先天性の異常である、「神経管閉鎖障害」のリスクを70%も低減できることが分かっています。
日頃から、十分な量の葉酸を摂取することが大切です。
詳しくは、下記ページで説明しています。読んでみてください。
●
妊娠前・初期に絶対必要な葉酸
赤ちゃんとママの明るい将来のためにも、今すぐ葉酸を摂取するようにしてくださいね。
葉酸サプリの選び方については、失敗しない!葉酸サプリの選び方で解説しています。こちらも併せて読んでみてみてください。
●失敗しない!葉酸サプリの選び方

■妊娠前のリスク
・妊娠率が低い。
35歳を過ぎると、卵子の老化が加速して著しく妊娠率が低下していきます。現在の医学では卵子の老化を止めることができません。妊娠したいなら早く妊活を始めることが大切となります。
妊娠できない人の問題点として
1.月経周期の異常
1) 月経周期における卵胞期の短縮
2) 黄体機能不全
3) 無排卵性月経
2.卵巣刺激に対する反応性の低下
3.体外受精の治療成績の不良
・キャンセル率の上昇
・採卵数の減少
・移植胚数の減少
・着床率の減少
・妊娠率の減少
・流産率の増加
などがあります。
高齢出産と呼ばれる年齢になっている人は不妊治療を受けているケースも多いのですが、40歳を超えてからの妊娠率はかなり低いものとなっています。
参考:日本産婦人科学会:4)高齢不妊婦人の問題点 卵巣機能不全
■妊娠後のリスク
・早産・流産する率が高い。
・染色体異常が増加する。
・妊娠高血圧症候群になりやすい。
・糖尿病や肥満といった生活習慣病を合併することがある。
高齢の場合は、35歳以下の人に比べて早産や流産する確率が高くなっています。流産する原因は染色体異常が最も大きな要因となっています。これは老化した卵子と精子が受精するために起こることも原因の一つと考えられています。
この結果からも、不妊治療を始めるには遅くとも40歳、可能なら35歳までに始めることが大切です。
高齢妊娠は妊娠高血圧症候群になりやすいリスクもあります。適切な血圧管理が必要になってきます。合わせて減塩するなど食事指導も行われることが多いようです。
この年齢になると糖尿病や肥満といった生活習慣病を持っている人が多くなってきます。妊娠にあまりいい影響はないので注意が必要です。
■出産のリスク
・帝王切開が多くなる。
・子宮口が固くなる。
・産後の体力回復が遅い
年齢が高くなると出産リスクが増えるため帝王切開になる率が増えてきます。ママと赤ちゃんの安全を考えて帝王切開を選択する施設があります。
自然分娩に拘っている人は、担当医師と十分な話し合いを持って意思疎通を図っておきましょう。詳しくは高齢出産のリスクにまとめました。
また、子宮口が固くなる軟産道強靱という状態になる確率が少し上がります。このようなことからも帝王切開を選択することが多くなっています。
出産後は、体力的な面から回復が遅くなる傾向があります。出産後にゆっくり静養することが大切になります。
40歳の妊娠確率
40歳の妊娠確率は、30歳のころと比べて急激に低くなっていくことが分かっています。40歳以上の人で不妊治療を受けている人も多くいますが、出産まで至る確率は2%と言う報告があります。
特に43歳以上は非常に厳しくなるので、妊活を始めるには42歳までに行う必要があります。詳しくは40歳の妊娠確率で説明しています。
高齢出産で二人目のリスク
35歳以上の高齢出産でのリスクは、初産に比べても同じぐらいリスクがあると言われています。二人目の場合は合併症のリスクは低くなるようです。結婚する年齢が高くなってきているので高齢出産する人が増加傾向にあります。
リスクは必要以上に恐れずに、主治医と良く相談してしっかりした対策をしながら出産へ向けた準備をしましょう。詳しくは高齢出産で二人目のリスクで解説しています。読んでみてください。
高齢出産で年齢が40代
高齢出産で年齢が40代となると、20~30代前半の人と比べて様々なリスクが増えることが分かっています。35歳以上で高齢出産となるので、この年代の人は注意が必要です。
具体的なリスクとしては、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病、肥満や高血圧、早産、子宮筋腫や肥満、子宮筋腫などがあります。
これらのリスクを予防するには、
・軽い運動を行う。
・塩分や糖分は控える。
・カロリーを取り過ぎない。
・ストレスを溜め込まない。
などの対策が必要になってきます。
この年代になると、元々糖尿病や高血圧、肥満といった成人病を持っている人も多くなります。このようなことも高齢出産のリスクとなります。
この他にも、年齢を重ねるごとに染色体異常を持つリスクも増えていきます。羊水検査やクワトロ検査(母体血清マーカー試験)で染色体異常の可能性も検査できますが、結果をしっかり受け止めるために夫婦で良く話し合っておくことが大切です。詳しくは高齢出産で年齢が40代で解説しています。
出産年齢の平均
出産年齢の平均は、年々上昇傾向をみせています。平均は、昭和50年に25.7歳だったものが平成7年に27.5歳と高齢化して平成20年には29.5歳となって平成23年に30.1歳と30歳を超えるようになっています。
出産年齢の平均が上がる理由として、初婚年齢の高齢化があります。結婚することが遅れることで出産する年齢も上がってきています。
出産年齢が上がると、高齢出産が増えることになります。一般的に35歳を過ぎると高齢出産となりますが、高齢出産には色々なリスクが増える
ことが知られています。
高齢出産のリスクとして、流産のリスクが増える、染色体異常の増加、帝王切開が増える、子宮筋腫や妊娠高血圧症候群のリスクが増えるなどがあります。
これらのリスクを十分に理解して出産に備えることが必要です。詳しくは出産年齢の平均で説明しています。
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